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不動産の業者買取りは本当に「楽」なのか?

【価格差が2,000万円出る理由と、売主が知らない“条件差・交渉余地・免責範囲”の実務】

 

不動産を売却しようとすると、必ず一度はこう言われます。

  • 「業者買取なら早いですよ」
  • 「契約不適合責任も免責にできますよ」
  • 「内覧も少なくて済みますよ」
  • 「ローン特約がないので安心です」

たしかに業者買取は、うまく使えば強力です。 ですが実務の現場では、“業者買取=楽で安全”とは限りません。 なぜなら――

業者によって「価格」「条件」「免責の範囲」「必要書類」「解除条件」がバラバラで、 売主に求める負担が大きく変わるからです。

さらに、売主が知らないまま進めると、次のような事態が現実に起きます。

  • 契約後に売主負担が増える
  • 測量・解体・越境是正を求められて手取りが減る
  • 些細な面積差で白紙解約される
  • アスベストや地中埋設物を理由に大きく減額される
  • 「残置物は全部撤去してください」と言われる
  • 収益物件で書類が揃わず話が止まる

この記事では、売主が後悔しないために、業者買取のメリット・デメリットと、 業者ごとの条件差(ここが本題)を実務目線で徹底的に解説します。

1. そもそも「業者買取」とは何か?

業者買取とは、不動産会社・デベロッパー・再販会社・投資会社などの「業者」が、 直接あなたの不動産を購入する方法です。

一般売却(仲介)との違いはシンプルです。

  • 一般売却:市場で買主を探す(個人・法人含む)
  • 業者買取:業者が直接買う(再販・建築・保有などが目的)

買主がプロであるため、契約や条件が“実務的”になります。 そのぶん「早い」「免責にしやすい」等のメリットがある一方で、 業者側の都合で条件が厳しくなることがあります。

2. 業者買取のメリット

✔ 決済が早い(スピードが最大の価値)

一般売却だと、買主ローンの審査・契約・引渡しまで時間がかかりやすいです。 一方で業者買取は、自己資金・短期融資・社内決裁で動くため、条件が合えば短期間で決済できます。

  • 相続で納税期限が迫っている
  • 共有で揉めていて早く現金化したい
  • 空き家の管理が限界
  • 近隣苦情や行政指導で急ぎたい

こういうケースでは、スピードが利益そのものになります。

✔ 契約不適合責任を免責にしやすい

業者買取の大きな魅力は、契約書で次のような条項が入りやすい点です。

  • 現況有姿
  • 契約不適合責任免責
  • 調査未実施(売主が保証しない)

ただし重要なのは、“免責の範囲は業者によって違う”ということです(後述)。

✔ 内覧・広告対応が少ない

一般売却のように何組も内覧が入ることが少なく、生活負担は軽くなりがちです。 空き家ならなおさら、管理の手間が減ります。

3. 業者買取のデメリット

業者買取の最大のデメリットは、「価格」と「条件」がセットで動くという点です。 業者はあなたの不動産を“仕入れ”として見ます。仕入れには必ず、

  • 想定利益
  • リスク
  • 工期
  • 追加費用
  • 社内稟議の通しやすさ

が絡みます。その結果、一般売却より価格が下がりやすいだけでなく、 売主負担(測量・解体・越境是正・残置撤去・書類準備)が増えるケースがあります。

そしてここが重要ですが――その条件は“業者によって全く違う”のです。

4. 業者によってここまで違う:売主に求める条件の差

ここからがこの記事の核心です。業者買取は「どの業者に売るか」で、手取りもストレスも大きく変わります。

✔ 確定測量を求める業者/求めない業者

買取条件として、次を求める業者があります。

  • 「確定測量をしてから決済」
  • 「境界が未確定なら買えない」
  • 「越境があるなら解消が条件」

一方で、次のように対応する業者もいます。

  • 「現況のまま買う」
  • 「測量は買主側でやる」
  • 「境界未確定でも価格調整で対応」

売主負担になると、数十万円〜100万円超の差が出ることもあります。測量は時間もかかるため、スピードにも影響します。

✔ 「解体更地+地盤調査+建築確認が下りてから決済」を求める業者がいる

売主が驚きやすいのがこのタイプです。

  • 売主負担で解体して更地にする
  • 売主負担で地盤調査までやる
  • 次の建物の建築確認が下りたら決済する
  • 途中で問題が出たら条件変更(減額や白紙)

これは業者側が“建築の確実性”を買っている形なので、売主にとっては負担が大きくなりがちです。 「買取なのに、実質的には建築条件付きのような構造」になることもあります。

✔ 契約後に確定測量で2㎡少ないだけでも白紙解約された例がある

実務で実際に起きるのが、次のようなケースです。

  • 契約後に確定測量したら、面積が2㎡小さかった
  • 契約条項により白紙解約
  • 違約金なし
  • 測量費は売主負担のまま

2㎡はわずかでも、業者側の評価モデルでは“想定計画が成立しない”ことがあります。 解除条件(どこまでが解除理由になるか)は、必ず精査が必要です。

✔ 越境:地中越境だけではなく「空中越境」も解消を求められる

越境と聞くと地中(ブロック基礎など)を想像しがちですが、業者買取では空中越境も問題にされます。

  • 屋根やひさしが越境している
  • 雨樋が越境している
  • 樹木の枝が越境している
  • 電線・引込線・看板が越境している

業者によっては「解消してから決済」「覚書が取れないなら買えない」「越境があるから減額」となります。 越境は解消に時間と費用がかかりやすく、相手の協力も必要なので売主にとって負担になりやすいポイントです。

✔ 残置物:そのままでOKな業者/売主撤去を求める業者

業者買取でも残置物の扱いは差が出ます。

  • 「残置物そのままでOK(現況で引渡し)」
  • 「一部撤去だけお願い」
  • 「残置物は売主で全部撤去」
  • 「撤去できないなら減額」

現場では最初に厳しく言われがちですが、ここは交渉で緩和される例も多いです(後述)。

5. 地中埋設物・アスベストは“減額”になりやすい

✔ 地中埋設物:減額の目安が“100万円”で語られることが多い

地中埋設物は、調査しない限り“確定できないリスク”です。買取業者はここを価格に織り込みます。 実務上は次の整理がされやすいです。

  • 「地中埋設物リスクで100万円減額」
  • 「撤去費が読めないので100〜300万円の幅で調整」
  • 「埋設物が出たら買主負担だが、そのぶん最初に減額」

もちろん物件規模や立地で変わりますが、「土地50坪程度の戸建て売却ならまず100万円」という会話が出やすいのは事実です。

✔ アスベスト:免責できない場合は“200万円減額”と言われることがある

築古の建物がある場合、業者はアスベストの可能性を強く意識します。 実務では次のような対応が現実にあります。

  • 「アスベストの可能性があるので200万円下げます」
  • 「調査して陰性なら減額を戻す」
  • 「免責なら価格維持」
  • 「免責できないなら買えません」

特に解体前提の業者ほどシビアです。戸建てでも解体・処分が絡むと費用が跳ねるため、最初の条件提示が厳しくなりやすいポイントです。

6. 重要:最初の条件は“厳しめ”が多い(交渉余地がある)

多くの買取業者は最初の提示で、 「残置物撤去は売主」「測量は売主」「埋設物は減額」「アスベストは減額」「越境は解消」「決済条件は厳しめ」 という“悪い条件”を並べてくることがあります。

これは悪質というより、最大リスクで提示しておく/交渉余地を残す/社内稟議を通しやすい価格から入る/売主の反応を見る という業者側の実務です。

売主側が次のように整理して交渉すると、条件が緩和される例は少なくありません。

  • 「残置物はそのままでお願いできませんか」
  • 「免責なら価格維持できますか」
  • 「測量はそちらで対応できませんか」
  • 「越境は覚書で対応できませんか」

だからこそ、1社だけで決めるのが危険です。 複数社を同時に当てると、条件改善が起きやすくなります。

7. 坪単価も「最初が天井」ではない:稟議で上がることがある

土地の買取では、 最初の提示(担当者の一次査定)→ 次の提示(稟議)→ 最終提示(投資委員会等) という流れが多いです。

つまり最初の坪単価は「社内決裁前の価格」であることがよくあります。 売主側が、他社条件・立地の優位性・用途の可能性・収益の裏付け等を示せると、稟議が通り価格が上がることがあります。

8. 決算・月末・締めタイミングで買取価格が動くこともある

実務では、価格や条件が「業者側の事情」で動くことがあります。

  • 月末までに仕入れ実績を作りたい
  • 四半期決算前に数字を作りたい
  • 決算期直前で在庫確保したい
  • 逆に在庫過多で仕入れを絞りたい

「今月決済できるなら上げます」「今期中に契約できるなら条件緩和できます」という提案が出ることもあります。
価格は物件だけで決まらず、業者側の事情でも動く——ここを知っているかどうかで結果が変わります。

9. 立地で2,000万円差が出る理由:業者の「出口」が違う

同じ戸建て・同じ土地でも、買取業者によって評価が変わります。理由は、業者が想定する「出口(エンド)」が違うからです。

✔ 解体して新築戸建てを建てて売る業者

解体費・建築費・金融コスト・販売経費・利益を必ず確保する必要があるため、仕入れ価格は抑えられがちです。

✔ 中古でリノベして一般に売る業者

解体費が不要な場合がある/建築確認が不要な場合がある/工期が短い/実需向け価格で売れる、 という強みから、仕入れを高くできることがあります。

✔ 民泊・簡易宿所などで「自社保有」する業者

立地優先・キャッシュフロー重視で、エンド価格に近い評価で買えることがあります。 こういう業者に当たると、解体前提の業者より1,000万〜2,000万円高くなることが現実にあります。

10. エンド価格に近いところで買う“買取業者”が存在する

「買取業者=安く買う」と思われがちですが、実務では違います。 中には、最終的な市場価格(エンド価格)に近いところで買う業者が存在します。

理由は明確で、その業者が次の戦略を取るからです。

  • 自社保有したい(家主になる)
  • 転売益を取らない(または薄利)
  • 長期運用で回収する
  • ブランド立地を優先する
  • キャッシュフロー重視

“持つ”ことで利益を作るモデルなので、仕入れ価格を上げられるのです。

11. その“エンドに近い業者”は表に出てこない

エンドに近い価格を出すような業者は、 ポータルサイト・一括査定に出ない/広告しない/既存ネットワークで情報を取る、 というケースが多いです。

つまり、売主が自力で探そうとしても出会えないことが起きます。 だからこそ、業者間ネットワークを使って複数ルートに同時打診し、 “高く買える業者”を探っていく戦略が有効になります。

12. 収益物件はさらに差が出る:必要資料が業者によって全く違う

収益物件(アパート・マンション・テナントビル)では、業者の要求資料がかなり分かれます。

✔ 「大手・金融評価が厳しい」業者ほど要求が多い

大手は投資委員会・コンプラ・金融機関審査・DDが厳しく、売主に求める資料が多くなりがちです。例えば:

  • 全賃貸借契約書の写し
  • 管理委託契約書
  • レントロール
  • 敷金台帳
  • 滞納一覧
  • 修繕履歴
  • 消防・EV点検記録
  • 原状回復の運用資料 など

✔ 「家賃送金明細だけでOK」という業者もいる

一方で、スピード重視の業者や買取再販系では、 レントロール・家賃送金明細・管理会社の月次報告程度で進むこともあります。

つまり収益物件は、同じ物件でも“止まるポイント”が業者で違うということです。

13. 結論:業者買取は「比較」と「交渉設計」をしないと損をする

業者買取の勝負は、次の要素で決まります。

  • 価格
  • 売主負担(測量・解体・越境・残置)
  • 免責範囲(契約不適合・埋設物・アスベスト)
  • 決済条件(いつ・何を満たしたら決済か)
  • 解除条件(どの程度で白紙解除できるか)
  • 書類要求水準(収益物件は特に)
  • 業者の出口(解体建売/リノベ/保有/投資/民泊)
  • タイミング(稟議・決算・月末)

そして最も危険なのは、1社だけの条件で決めてしまうことです。 1社だけだと、条件緩和・価格上積み・エンドに近い業者への到達が起きにくくなります。

14. 売主がやるべき現実的な進め方

  1. まず「一般売却」と「業者買取」を並行で検討する
  2. 業者買取はタイプを分けて複数社へ同時打診する(解体建売系/リノベ系/保有系/投資系/民泊系)
  3. 条件を“見える化”して比較する(価格・免責・売主負担・決済・解除)
  4. 厳しい条件は交渉して緩和させる
  5. 稟議の上積み・決算タイミングを取りにいく
  6. 最終的に「手取り」と「安全性」で決める

これが、後悔しない売却設計です。

株式会社BEST BALANCEの買取比較・売却設計(福岡)

業者買取は「早い」だけでは勝てません。売主にとって本当に大事なのは、 価格の伸び/売主負担の減少/免責の十分性/白紙解除リスクの低さ/決済条件の公平性/エンドに近い買主への到達 という“設計”です。

株式会社BEST BALANCEでは、単に買取業者を紹介するのではなく、 下記タイプへ同時打診し、「価格」と「条件」を同時に競争させるところから始めます。

  • 解体建売系
  • リノベ再販系
  • 自社保有系(エンド近い業者)
  • 投資会社・ファンド系
  • エリア特化の法人

また、買取は契約の中身がすべてなので、次の論点まで含めて売主様が不利にならないように整理します。

  • 契約不適合責任の免責範囲
  • 地中埋設物・アスベストの扱い
  • 越境(地中・空中)の整理方法
  • 残置物の扱い
  • 測量・解体の負担
  • 解除条件(白紙解除条項)
  • 決済条件(建築確認後などの条件)

仲介手数料について(株式会社BEST BALANCEの方針)

当社では、福岡エリアにおける不動産売却について、価格帯や物件特性に応じた特別な仲介手数料体系をご用意しています。 土地・戸建て・マンション・収益物件いずれも対象です。

単に手数料を下げることが目的ではなく、「売却価格 × 条件 × 手取り額」まで含めて最適化することを重視しています。

価格帯別の手数料体系

  • 5,000万円以上の物件 → 売主様の仲介手数料:原則1%+消費税
  • 3,000万円〜5,000万円の物件 → 仲介手数料:50%相当を優遇
  • 3,000万円未満の物件 → 通常の仲介手数料

特別プラン(高額物件向け)

1億円以上の物件で、当社が買主様も直接仲介できた場合(両手取引)には、売主様の仲介手数料は0円となります。
※物件内容・権利関係・業務難易度・売却条件等により適用条件が異なる場合があります。
※詳細は必ず事前に個別でご説明いたします。

手数料だけで選ばれないために

仲介手数料は確かに重要な要素です。しかし、 「仲介手数料が安かったのに、条件交渉で数百万円損をした」 「出口戦略を誤って売却時期を逃した」 という事は避けたいです。

当社では、複数社への同時打診による価格競争、業者買取と一般売却の比較提案、 契約条件・免責条項の整理、境界・測量・越境対応の調整、税務・相続面の事前整理、決済条件の設計まで含めて、 売主様の最終的な手残りを最大化する売却設計を行っています。

無理な売却はお勧めしません

ご事情によっては、次のように「売らない方が良い」ケースもあります。

  • すぐ売らない方が良いケース
  • 建替えを検討すべきケース
  • 収益改善後に売った方が良いケース
  • 相続対策を先に進めた方が良いケース

その場合は正直にお伝えします。売却を急がせることはありません。 条件を緩和して売主負担を減らす、エンドに近い業者まで届かせて価格を上げる、 免責設計を整えて売却後の揉め事を避ける、決済条件を整えてスムーズに終わらせる—— そこまで含めて手取りと安心を最大化するのが当社のスタンスです。

「売るかどうか迷っている段階」でも大丈夫です

業者買取は、最初の条件提示が厳しく出てくることも多く、売主が一人で判断するのは難しい世界です。 たとえば次のような疑問がある段階で整理するほど、結果が良くなります。

  • この減額は妥当なのか
  • 残置物撤去は本当に必要か
  • 測量・解体の負担は交渉できるのか
  • 免責にできる範囲はどこまでか
  • 白紙解除条項は危険ではないか
  • そもそも他社ならもっと出るのではないか

「買取の条件が妥当かだけ確認したい」「他社にも当てて比較したい」「エンドに近い業者がいるならそこも探りたい」—— この段階からでも十分に意味があります。数字と条件を並べて、売主様が納得できる形を一緒に作ります。